Q. 共謀罪(テロ等準備罪)って一体なんなの?オリンピックのためのテロ対策なら必要じゃない?
A. 共謀罪とは、2人以上の人が犯罪を犯す前段階、準備のさらに前段階の相談をしている時点で逮捕、処罰ができることです。ちなみに法案に「テロ」の文字は最初条文の原案には入っていませんでした。指摘を受けあとから付け足しましたが明らかに条文と合っていません。つまり、テロ対策のための法案というにはかなり無理があります。
そもそもテロ対策なら、日本にはすでに国際連合条約のテロ関連条約にも同意していて、十分な法整備は整っています。
Q. でも、私たちは普通の市民で犯罪なんて犯すつもりないんだから、関係なくない?
A. その人たちが普通の市民かどうかは警察が決めること。過去にもいくつか危険でない市民団体の人が警察にマークされたり個人情報を流出されたりという事例があります。それが公然と行われるようになりますね。「誰を捜査対象にするのか」は、警察の恣意的な判断。だから、自分に関係ないって人は実はいないのです。
Q. じゃあどうやって事前に「共謀」をみつけるの?
A. それはもちろん、普段から「怪しい人」も「普通の人」も見張っていないと、誰が怪しいのか、何を話してるのか分からないですから、日常的に皆の電話やメール、LINEなどのSNSも監視しますね。
Q. じゃあもしかして、普段の生活で話をしてるなかでもそういう盗聴や友達が仲間のふりしてまぎれこんだりとか、ある?
A. それが問題視されているところです。警察による歯止めのない捜査方法(監視、盗聴、囮捜査)が懸念されています。また、共謀の証拠集めにスパイや密告が増えると仲間同士でもこの人が裏切るんじゃないか、あの人は実はスパイなんじゃないか、と疑心暗鬼になりそれが息苦しい自由のない社会を作り出しかねません。
Q. 冤罪とか、誤認逮捕とかもありうるよね…?
A. 当然あり得ますね。逮捕されないまでも事情聴取だけでも、たとえば職場に警察から電話がくる。家の前にパトカーがきて連れて行かれる。それだけで、普通の市民生活はズタズタになります。それに対するフォローは一切ありません。
本日の「共謀罪法案に反対する市民集会」(日弁連や県弁護士会などの共催)で元北海道警察釧路方面本部長の原田宏二さんは次のように言われました。共謀罪で警察の権限拡大を許してはいけない。冤罪で苦しむ人に心を寄せて。警察の不祥事を見てほしい。市民が警察をよくするという目で注視してほしい。 pic.twitter.com/GnyXF46OyN
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) 2017年4月15日
昨日、SBCが共謀罪法案を特集。共謀罪により、冤罪が蔓延することが懸念されています。1952年、長野県警察が「辰野警察署の爆破を企んだ」とでっちあげた辰野事件。警察が破防法の成立のために仕組んだとも。1972年、被告13人は無罪に。夫が「首謀者」と無実の罪を着せられた神戸直江さん pic.twitter.com/uF8zTcKtrd
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) 2017年4月25日
Q. そんな窮屈な世の中で子どもが心配。。。
A. そもそも刑法ってなんのためのものでしょう。刑法よりも上の存在の憲法にたち戻って、私たちの自由や人権について考えてみましょう。刑法は、人権を実現するための道具です。国民の自由エリアが狭まり、どこまでが自由でどこから権力が介入されるのかわからなくなってはいけない。決して他人事ではなく、子どもの成長や自分たちにとっても大切な問題です。
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