歴史に学び今を考える。そのときにはいつも 「こころの真ん中に憲法を」(前川喜平さんと「親・子・みんなで考える 勉強ってなに?憲法ってなに?」の報告)

3月21日に元文科省事務次官の前川喜平さんをお招きして、「親・子・みんなで考える 勉強ってなに?憲法ってなに?」を開催しました。

お話の中には「勉強は幸せになるため」や「100年前の歴史は今につながっている」また今の憲法問題については「憲法を学んでいない人が憲法を学んでいない人に憲法を変えようと言っている」といったお話がありました。

 

前川さんが話の中で特に強く話していた言葉は「と、僕は考えます」という言葉です。

 

私たち実行委員会が学びあう会と名前をつけたのは、参加した人が様々なことを感じ、考え、明日への希望になるような会にしたかったこと。そして、その場で答えを出す会にはしないこと、を大事にするためでした。

 

僕はこう思います、考えます、みなさんはどうでしょうか。そんな投げ掛けを前川さんから何度も受け取りました。

 

もちろん中には「そうだな」と自分の考えの軸にしたい言葉もたくさんありました。

けれどそれは「答え」を与えられたのではなく、元々の自分の頭の中で考えていたからこそ、その言葉で腑に落ちるきっかけになったのだと思うのです。

 

ただ聞いた言葉をそのまま「答え」にしてテストの解答欄に書かなければと覚えるように頭に入れるのは本当の学びではないはずです。

 

会の中では小学生から大学生までの子どもや学生も参加し、一時間のディスカッションでは学校や勉強への率直な疑問を話しました。

豊丘村の6年生はクラスでの平和学習について話をしてくれました。1年間を通して総合の時間を使い沖縄基地のこと、自分達の住む豊丘村が満蒙開拓によりどんな歴史を辿ってきたのかを学びました。

それらは平和の鐘という歌をきっかけに自分たちから知りたいという気持ちが生まれ、学習をしていった結果たどり着いたものでした。提案され与えられた資料からではなく、自分たちで考えたり写真展を見たり、戦争体験者に会って話を聞いたりしたそうです。

食べ物を粗末にしてはいけない、という話を聞いた後、クラスで給食を残さなくなったのも、決まりや先生に言われたことではなく一人一人が感じたことを行動にうつした結果ではないでしょうか。

見たり聞いたり知ったことが、頭にだけでなく心にも残るものがあればそれが本当の学習ではないでしょうか。

答えは1つではない。子どもたち一人一人違っていいのです。

勉強についての様々な意見を聞き大人も改めて学校ってなんだろう、学びってなんだろうと考えさせられました。

 

子どもたちの成長の大きな部分を担う教育現場では今、本当に民主的な人間形成のための学びができているのか。さらには今その現場にも権力から介入されている中で教職員や学校はどこまで闘えるのか。

 

全てに通じているものはやはり憲法に他なりません。

 

答えを与える学校ではなく、共に答えを探していく学校に。

教育は今、本当の在り方を問われています。

 

子どもたちが学校で「なんで勉強しなきゃいけないの?」と思うように

私たち大人もまた「なぜ学び続けることが大切か」を改めて考えていきましょう。

 

歴史に学び今を考える。そのときにはいつも

「こころの真ん中に憲法を」