※岡田和枝弁護士からのメールです
マスコミ報道は、共働きの家などで、子どもをみれなくなることの不都合さを取り上げています。
この不都合さがあることは、私は身をもって実感しています。
しかし、そもそも、学校は、共働きの家のために子どもの面倒をみるところではありません。
子どもの普通教育を受ける権利を保障する場です。
今回、安倍首相の鶴の一声で、子どもの普通教育を受ける権利は制限されました。
憲法上の権利が「国民の命を守るため」という理由で、簡単に制限されることはあまりに恐ろしいことだと私は思います。
緊急事態条項が憲法に書き加えられたら、こういう世の中になるんだなと、私は背筋が凍る思いです。
国民が自分の権利を制限されながら、それを簡単に許してしまえば、そのうち、次のようなことも起こりえます。
「国民の命を守るため集会は開かないで下さい。」「国民の命を守るためデモは行わないでください。」
「国民の命を守るため宗教活動は自制してください。」「国民の命を守るため学会は開かないでください。」
「国民の命を守ることに資する研究以外はしないでください。」
集会やデモを自制するように安倍さんが要請することだって、今回と同じ理屈で可能なのです。
あくまで要請です、自治体が自主的に判断して下さいと良い通、一斉に自治体が公民館の使用許可を取り消したらどうなるでしょうか。
私たちは、もっと権利侵害に対し、敏感にならなければいけないと思います。
緊急事態条項が憲法上に書き加えられ、緊急事態が宣言されると、国民の人権は停止できます。
そうなれば、コロナウィルスや地震などを理由に、「国民の命を守るために集会は禁止」「国民の命を守るために学校は休校」と命令することも可能になるのです。
私は、今回の休校要請は、人権がいとも簡単に制限された前例を作ってしまったと思います。決して許してはいけないことです。
義民だ。現代の青木時報だ。「休校は、憲法に保障された教育を受ける権利を制限する重い問題である。自治体は熟議とともに、判断の根拠や代替措置を十分説明する責務を負う。政府の要請だから従う、では地方自治の自殺行為である。県内の全自治体横並びの状況は、その懸念を抱かせる」(信濃毎日4日)
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) March 3, 2020
3月4日信毎コラム「斜面」
— 憲法かえるのやだネット長野 (@yadanetnagano) March 3, 2020