わたしたちが「こんな人たち」になる理由。安倍政権はただちに退陣!(小学校教員のK先生)

私は、長野県内の小学校の教員です。

今日、ここへは、どこから動員されたり組織されたりしたわけではなく、自分で決めてきました。

 

私が就職したとき、初めて教職員組合の総会に行ったら、正面に大きく「教え子を戦場に送るな」と横断幕があり、びっくりしました。組合だから「賃上げ」とかが書かれていると思っていたからです。先生たちは、今も前の戦争のときのことを反省し続けているんだと思いました。

 

けれど、2年前の夏、そうではなかったのだ、先輩たちは、未来の平和を強く願って、このスローガンを掲げ続けてくれていたのだと、気がつきました。

言い続けることの大切さを学びました。

 

私たち長野県の教職員は、「二・四事件」を忘れることはできません。治安維持法のもと、権力側が意図的に長野県の教育界の「赤化」を強調し、200名を超える教員が検挙され、教壇を追われました。その反動で、長野県の教育界は、国策に協力するようになり、満蒙開拓青少年義勇軍に6000人を超える子どもたちを送り出すことになっていきました。この数は、他県とくらべ、ダントツに多い数です。

いまも毎年、この「二・四事件」に学ぶ集会がひらかれています。共謀罪が成立した今、二・四事件についてずっと調査し、現代につながる教訓を話し合ってきた先輩方のとりくみの貴重さを痛感します。学び、話し合い、伝えていくことの大切さを学びました。

 

私は、現在の憲法が好きです。小学校で初めて憲法について学び、この憲法ができてから生まれてよかったと思いました。ですが、一ヶ所よくわからないところがありました。第12条「この憲法が国民に保障する自由および権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」というところです。なんで、憲法で保障されているのに、私たちが努力しなければならないのか、わからなかったのです。

 

でも、安倍首相のおかげで、この条文がある意味よくわかりました。そうです!そのために、わたしたちは、こういった集会に参加したり、デモ行進を行ったりしているのです。わたしたちが「こんな人たち」になるのは、自由および権利を保持するためです。自由と権利を守るためには、やはり、安倍政権にはただちに退陣してもらわなければいけません。

 

来年度から、小学校で「特別の教科 道徳」がはじまります。わたしたちは、安倍政権による「戦争する国づくり」のための教育政策ととらえ、反対しています。先日、教科書展示会に行って道徳の教科書を見てきました。どの教科書も、あまりよいというわけではないですが、とりわけ教育出版のものはひどいです。たぶん、安倍首相から見ると、教育出版が一番よく見えるでしょう。でも、この教科書には、安倍首相にこそ学んでほしい事柄が書かれています。

 

たとえば、2年生では、「みんなのものって?」という単元があります。みんなのものは自分やお友達だけがいいように使ってはいけないのです。1年生「かぼちゃのつる」というお話。まわりの人の意見を聞かず、自分の思い通りに伸びていって、最後には、車にひかれてしまうお話です。まとめに、「わがままはいけないよね」と書かれています。6年生では、決まりを守らず、自分の思い通りにやっていた王様の話があります。あまりに勝手で、決まりを忘れて、注意した人を牢屋にいれます。そのせいで国が乱れて、ついには牢屋に入れられます。まわりの人たちの意見を聞けず、憲法を守れない人が、総理大臣なんかしてはいけないのです。

 

共謀罪が施行されても、絶対にひるんでなんかいられません。

共謀罪をかつての治安維持法のようにさせない、廃止にさせる、戦争法も廃止、憲法を守る、これからも、みんなで言い続けていきましょう。