参院長野補選立候補予定者への政策要望書(コロナと暮らし実行委員会)と小松ゆたかさん、羽田次郎さんのコメント

 コロナと暮らし実行委員会では、長野県内在住者や出身者から「コロナ禍の生活綴方」を集めています。今後、冊子にする予定です。 「コロナ禍の生活綴方」の内容から、参院長野補選立候補予定者への政策要望書を作成し届け、コメントをお願いしています。実行委員会も「生活綴方」も女性比が高いものとなっており、女性政策に力点を置きました。

 

 

(1)女性と子どもの権利に関わって

コロナ禍であからさまな女性差別が露呈したことで性差別、男女間の隔たりの問題も大きく議論されています。仕事や育児、介護に感染防止対策が加わり、女性の「疲れた」という声が特徴です。多くの女性が職を失い、DVなどさまざまな困難に直面し、女性と子どもの自殺が増えていることは、きわめて重大です。

雇用、賃金、就学における性差別を撤廃し、選択的夫婦別姓を実現し、すべての人が社会、経済活動に生き生きと参加する当然の権利を保障してください。生理用品の無料配布、消費税率の軽減や非課税を求めます。

DV加害者の厳罰化と被害者のケアを求めます。また性犯罪の厳罰化、同意のない性行為を処罰する刑法改正を求めます。性暴力がもたらす被害は深刻です。被害者の尊厳回復と犯罪抑止のための政策を求めます。

子ども達や学生は、今しか出来ない学校生活を振り回され、奪われています。学費・生活費の確保のためにアルバイトに追われる学生が多くいます。感染拡大防止の手だてを最大限施しながら、学校や大学などでの教育の機会を保障してください。教育予算を拡充し、小中高等学校の少人数学級の実現を求めます。大学、高専、専門学校に対する学費減額と給付型奨学金制度の再検討を求めます。

 

小松ゆたかさん

女性の更なる社会進出と活躍のため、産休明けの女性に対して家計負担を減らし、子育て支援の充実、またシングルマザー世帯に対する包括的な支援制度を整備します。加えて生涯学習の機会を増やし、女性が資格や、デジタル等のスキルを取得しやすい環境を整備します。

夫婦同氏制度の歴史や家族の一体感などは否定せず、その上で別姓を望む夫婦に選択肢を与える趣旨に賛同します。丁寧な議論をしていく必要があると思います。

新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることのないよう、支えることが何より重要と考えております。

学びの継続のための学生支援緊急給付金では、学校が推薦すべきと判断した全ての学生約四十二万人にまずは支給しています。そのうち大学院生は3.4万人、学部生は29.9万人に支給しており、利用されていない額が約35億円だそうですので、この支援給付金を積極的に活用していきます。

 

羽田次郎さん

社会矛盾は弱者にしわ寄せが来ます。コロナ禍による非正規雇用の方をはじめ、サービス業、自営業、文化芸術、その中でも、とりわけ女性の方がまさに危機に直面しています。

03年に小泉内閣で決定した2020年に指導的女性比率30%とする政府目標の15年に努力目標にされ、当初の20年には30年までの目標へ繰り延べとなりました。結果、3月末に発表された日本のジェンダーギャップ指数は156か国中120番目と低迷を極めています。これは実質、政治と政府の怠慢が大きな原因です。経過と成果を見ると意識的なサボタージュとしか思えません。根本的な変革が必要です。

アルバイトができにくい状況の中、苦学生がとりわけ危機的状況にあることは衆目の一致するところです。コロナ禍と少子化の中、子供たちの育成に責任を持つのは、私たちに課せられた社会的責任だと思っています。

 

 

(2)いのちを最優先する政治を

医療・保健や防災、教育・研究、文化・芸術などを切り捨て、「自助努力と自己責任」とする新自由主義の問題が、コロナ禍で浮き彫りになりました。新自由主義から転換し、いのちを最優先する政治を求めます。

新型コロナウイルス対策は、透明性のある公平な行政の理念のもと、科学的知見と事実に基づく合理的な政策決定、適切な情報共有を求めます。

コロナ禍で、医療、教育、介護、保育、障がい者施設、学童保育、福祉の現場は逼迫しています。逼迫している現場の人員の補充や、補助金の検討を求めます。

困窮する親子への支援の拡充を求めます。

文化芸術の作り手たちの心を守る支援の拡充を求めます。

働きたい人が自由に働ける社会を求めます。最低賃金「1500円」の実現、週40時間働けば人間らしい生活ができる社会の実現を求めます。

コロナ対策による権利制限は、対価として補償を求めます。

 

小松ゆたかさん

新型コロナウイルスと戦う県内の医療機関の体制強化を図るなど、安心して治療を続けられる地域医療を構築します。また地方の医師・看護師確保に加え医療・介護の現場、保健所の負担を軽減し、県民が安心して医療や介護を受けられるよう、AI、ロボット活用等の最先端のデジタル 医療、予防医学を産学連携で推進します。さらに介護・年金などの福祉・社会保障を充実させ、誰もが安心して生活し、将来の展望できる社会を作ります。

これまでの感染拡大時の経験も踏まえ、国・自治体は医療・検査体制を更に強化する努力が必要です。社会経済活動を継続しつつ、再度の感染拡大を防止し、重症者・死亡者の発生を可能な限り抑制するため、変異株対策やモニタリング検査、積極的疫学調査を強化するとともに、病床・宿泊療養施設と医療人材の確保、後方支援を担う医療機関等の確保や転院支援の仕組みの導入等が必要と考えます。

 

羽田次郎さん

内閣の経済ブレーンに竹中平蔵がついたことで、菅政権の新自由主義的傾向は明らかになりました。さらに、菅内閣は自助優先を強調し、公助は補完であるとの立場です。

命よりも経済優先、公助より自助優先の政治では危なすぎます。何としても政治の方向を変換しなければなりません。

 

 

(3)私たちが生きる公共の場をつくるために

私達の憲法、法制度には人間の苦境を救済する力があります。主権者が、自分たちの生きる公共の場をどのように作り出すか自由闊達に議論し、決めていくという民主主義、立憲主義の回復を求めます。

コロナ下で生活に困窮する家庭も増えています。声をあげられずにいる子どもや保護者にいち早く気づき、支え合いながら社会にも働きかける仕組みを検討してください。

校則を含むルールの決定過程に子どもも関われる仕組みを検討してください。

 

小松ゆたかさん

政治は一定の期間で、選挙という形で国民の審判を受けます。国民の皆様に評価していただければ議席を守れますし、そうでなければ議席を失います。そうした国民の代表である政治家が行政をリードする、民意を踏まえて指導する、憲法に基づいて政治を行うことが民主主義や立憲主義であると考えています。

弱い立場の方々が、より厳しい環境にさらされます。そのような視点から、政府では先週、女性・非正規の皆さんや、ひとり親家庭(二人親でも厳しい家庭もあります)、更には望まない孤独にさいなまれている人たちへの支援が決まりました。コロナ禍の長期化を踏まえ、既に実施している緊急小口資金はもとより、総合支援資金を活用し、弱い立場の方たちを支えます。

 

羽田次郎さん

だれのための政治、だれのための制度かを問い直せねばなりません。「自分たちに運用されるルールは自分たちで決められることの制度化」が、民主主義の第一歩だと思います。

 

 

(4)差別解消、人権尊重で、持続可能な地域社会を

コロナの蔓延による経済的困窮、移動制限などの社会的な苦しみ、差別や中傷、分断が深刻な問題になっています。アジア太平洋戦争や原発事故など、過去の過ちを活かし、差別解消、人権尊重で、持続可能な地域社会を求めます。

 

小松ゆたかさん

まず、対象がどのような方かに関わらず、そもそも差別というものは許されないと思っております。差別を生まないために大事なのは、お互いの違いを認め合うことだと思います。世界の人口は76億人程度と言われていますが、誰一人として同じ人はいません。一人一人が違うということは、種として生き延びるためにも必要なことです。それを、どこかで線を引いて、差別すること自体が非常に良くないことだと思います。

SDGsには、貧困、飢餓対策から健康、教育、ジェンダー、環境、経済成長など、テーマは多岐にわたり、いずれも大事な課題ばかりです。みんなが多様性についての認識を醸成していくということが大事だと思います。

 

羽田次郎さん

差別、格差、人権の問題は日本ではコロナ禍を機に顕在化しました。これを過去の反省を基に克服することが、貴会提案の持続可能な地域社会を形成するとの提案に同意します。

 

 

コロナ禍の生活綴方

①支え合いながら社会にも働きかける仕組みができれば(社会福祉士・志木碧)

②コロナと暮らし(白蓮坊住職・若麻績敏隆)

③正直疲れてしまいました(長野県北信地区出身、在住のパート主婦)

④早く新型コロナウイルスが終息し、当たり前の日常に戻れますように(まこ)

⑤一言でいうと「つらい」が一番適当な言葉(長野県出身の西のほうの大学2年生)

⑥コロナ禍で浮き彫りになっていること(自転車好きの大学生)

⑦ウィズコロナ時代を共に生き抜こう(シンガーソングライター・清水まなぶ)

⑧コロナ禍で明らかになった新自由主義政策が医療・保健・防災・教育を破壊したこと(東京都立大学特任教授・宮下与兵衛)

⑨ひとつひとつの仕事にとても時間がかかるように(医師・あらいぐま)

⑩人との触れ合いが減ってしまったことが私のメンタルを削ぐ(看護師・ぱんだの母ちゃん)

⑪子どもたちが、全員帰った後は、本当にホッとする毎日です(上高田保育園園長・藤原睦明)

⑫学校が子どもたちにとって希望の場であり続けるために(教員・Y)

⑬「子どもがいるから学校がある」(学習支援員・T)

⑭危機の中で(信州の非正規工場労働者、そして信州の政治的文筆家・加藤太一)  

⑮毎朝配る新聞の1面を見ては思う(ダブルワークをしている主婦)

⑯困難をバネに ㈱まつり工房代表 北原 永

⑰『コロナ禍の中で演劇をやっていて感じた寂しさと喪失感』(松本市劇団であい舎団員S・K)

⑱子ども劇場とコロナ(更埴子ども劇場・金子明子)

⑲にっこり広場の活動を通して(にっこり広場代表・岡宮真理)

⑳「必死」という単語がピッタリです(相談支援専門員・ろぜっと山口)

㉑若い世代が未来見つめる社会にしていかなくては(美容師・S.ねこ)

㉒私の頭がおかしいのだろうか?誰か教えて欲しい(製造業・ふたば)

㉓とりあえずは、わが身を守る為の行動をとろう(パート従業員・路傍の土)

㉔体罰について語ります(すあま)

㉕コロナ禍での学校の様子と、私の気持ち(でー)

㉖コロナとデモ(原発に頼らない未来を創ろうプロジェクト 代表 田澤洋子)

㉗頭から離れない父の看取りの日の事(サクラ)

㉘森喜朗氏の発言で思うこと。私達は今の時代で意思を表明し続ける(長野市19アクション)

㉙生活画(ネオ子)

㉚弱さに向き合う(はち)

㉛コロナ禍の暮らしとわたし(自営業・60代主婦 かすみ) 

【参院長野補選】女性、子ども・学生への国の支援のありかたを考える|コロナと暮らし実行委員会